「いつになったら動き出すのか」「このまま一生このままなのか」
不登校のお子さんを持つお母さんが、毎日心のどこかで感じている不安です。待っているのに何も変わらない日々は、本当につらいものです。
でも、多くの不登校の子どもは、必ずどこかのタイミングで動き出します。大切なのは、そのサインを見逃さないことと、動き出したときに正しく対応することです。
この記事では、不登校の子どもが動き出す前に見せるサインと、動き出すきっかけになりやすいことを、具体的にお伝えします。
この記事の目次
- 不登校の回復には「3つの段階」がある
- 「動き出す」とはどういう状態か
- 動き出す前に見せる8つのサイン
- 動き出すきっかけになりやすいこと
- 動き出したときにやってはいけないこと
- 動き出したときにお母さんがすべきこと
- 「まだ動かない」と感じているお母さんへ
- よくある質問
不登校の回復には「3つの段階」がある
まず知っておきたいのが、不登校からの回復には段階があるということです。文部科学省の調査研究協力者会議(平成28年)の最終報告では、不登校の状態を段階的に捉えることの重要性が示されています。
段階①
急性期・休養期
心身が疲弊しきっている時期。とにかく休むことが最優先。無理に動かさないことが回復への近道。
段階②
回復期・充電期
少しずつエネルギーが戻ってくる時期。サインが見え始める。焦って登校を促すのは逆効果になりやすい。
段階③
動き出し期
外に出る・フリースクールへ・学校への復帰など、何かしらの行動が始まる時期。
この3段階を知っておくことで、「なぜ今は待たなければいけないのか」が分かります。段階①②では、がんばらせるより休ませることが正解です。そして段階③に入るタイミングこそ、サインを見逃さないことが重要になります。
参考:文部科学省「不登校児童生徒への支援に関する最終報告」(平成28年)
「動き出す」とはどういう状態か
多くのお母さんが「動き出す=学校に戻る」とイメージしていますが、それだけではありません。文部科学省も「学校への復帰だけを目標にしない」という方針を明確にしており、様々な形の「動き出し」があります。
動き出しの形①
外に出られるようになる
コンビニ・散歩・習い事など、少しずつ外に出られるようになる。
動き出しの形②
フリースクールや別の場所へ
学校ではなくフリースクールや図書館など、安心できる場所に通い始める。
動き出しの形③
学校に戻る
別室登校・保健室登校・部分登校など、少しずつ学校に関わり始める。
学校に戻ることだけが正解ではありません。お子さんのペースで、どんな小さな一歩であっても、それは前進です。また、フリースクールや教育支援センターなど学校以外の学び場を活用することも、立派な「動き出し」の一つです。
動き出す前に見せる8つのサイン
不登校の子どもが動き出す前には、必ずと言っていいほど何らかのサインが見られます。文部科学省の令和2年度の実態調査でも、不登校経験者の約70%が休養中に「ほっとした・楽な気持ちだった」と回答しており、十分な休養を経てエネルギーが回復したときに動き出すことが多いと報告されています。このサインを知っておくと、焦らずに関われます。
表情が明るくなってきた
ぼんやりしていた表情に少し生気が戻り、たまに笑顔を見せるようになる。笑いのツボが戻ってきたと感じるお母さんも多いです。
食欲が戻ってきた
食事の量が増えたり、「〇〇が食べたい」と自分から言えるようになる。食欲は心の状態を映す鏡です。
生活リズムが少し整ってきた
朝に起きられる日が増えたり、夜ふかしが減ってきたりする。昼夜逆転が改善してくるのも動き出しのサインです。
自分から話しかけてくるようになった
部屋に閉じこもっていた子が、テレビを一緒に見たり、他愛もない話をしてきたりする。これは心が少し開いてきたサインです。
好きなことへの関心が戻ってきた
ゲーム・マンガ・音楽・料理など、以前好きだったことに再び興味を持ち始める。「好き」を取り戻すことは、エネルギーの回復を意味します。
将来のことを少し話すようになった
「高校はどうなるの?」「〇〇になりたい」など、先のことを自分から口にするようになる。未来への希望が戻ってきたサインです。
外の様子を気にするようになった
カーテンを開けて外を見たり、「今日は何曜日?」と聞いてきたりする。外の世界への関心が戻ってきています。
身の回りのことを自分でするようになった
自分で洗濯したり、部屋を片付けたりし始める。自分への意欲が少しずつ回復してきているサインです。
⚠️ サインが出ても焦らないで
サインが見えたとき、「やっと動き出した!」と一気に期待が高まるお母さんも多いです。でも、ここで急かしたり、すぐに学校の話をしたりすると、また後退してしまうことがあります。文部科学省の最終報告でも、「回復期段階に至って学校復帰に向けた登校刺激が有効になる」と示されており、タイミングが重要とされています。サインが見えても、もう少しだけ待つのがポイントです。
動き出すきっかけになりやすいこと
不登校の子どもが動き出すとき、何かしらのきっかけがあることが多いです。よくあるきっかけを紹介します。
きっかけ①
安心できる場所・人との出会い
フリースクールのスタッフ・相談員・習い事の先生など、「この人なら話せる」と思える大人との出会いが大きなきっかけになることが多いです。学校と切り離された第三者との関係が、再び人と関わる勇気を生みます。札幌で相談できる場所を先に知っておくと、タイミングが来たときにすぐ動けます。
きっかけ②
好きなこと・得意なことの発見
ゲーム・料理・イラスト・プログラミングなど、「これなら自分にもできる」という体験が自己肯定感を回復させます。学校の勉強とは関係のないことでも、「できた」という感覚は大切なエネルギーになります。
きっかけ③
十分に休めた・充電できた
不登校の初期は、心身がすり減っている状態です。十分に休んでエネルギーが回復したとき、自然に「何かしてみようかな」という気持ちが生まれます。焦らず休ませることが、動き出しへの近道です。
きっかけ④
家の空気が変わった
お母さんが外部に相談し始め、家の中の緊張感が和らいだとき、子どもも少し軽くなります。「お母さんが落ち着いてきた」と感じると、子どもも動きやすくなります。まず親が最初にやることを知ることが、家の空気を変える第一歩です。
きっかけ⑤
友人からの何気ない連絡
SNSや友人からのメッセージがきっかけになることもあります。「自分のことを気にしてくれている人がいる」という感覚は、孤独の中にいる子どもに大きな力を与えます。
きっかけ⑥
進路・高校進学への意識
中3になり「高校どうしよう」という現実的な不安が、動き出しのきっかけになることがあります。不登校でも札幌で高校進学できる選択肢を知ることで「自分にも道がある」と気づき、一歩を踏み出せる子も多いです。
動き出したときにやってはいけないこと
せっかくお子さんが動き出しても、対応を間違えると後退してしまうことがあります。やってはいけないことをしっかり確認しておいてください。
「やっと動いた」という態度を見せる
「やっとね!」「待ってたよ!」という言葉は、子どもに「お母さんはずっとプレッシャーをかけていた」と感じさせます。自然体で受け止めることが大切です。
すぐに学校の話をする
外に出られたからといって、すぐに「学校はどうする?」と聞くのは逆効果です。まずは「今できていること」を大切にしましょう。言ってはいけない言葉・言っていい言葉もあわせて確認してみてください。
一気に詰め込もうとする
「動いたから勉強も!習い事も!」と欲張ると、子どもはまた疲れ果てて後退します。一つずつ、ゆっくり増やしていくのが基本です。
動き出しを「完治」と思う
動き出した後も、調子の悪い日・休みたい日は必ずあります。「また戻ってしまった」と焦らず、波があることを前提に関わることが大切です。
動き出したときにお母さんがすべきこと
動き出しのタイミングは、お母さんの関わり方がとても重要です。
「いつも通り」を心がける
大げさに喜ばず、いつも通りに接することが子どもに安心感を与えます。「普通でいい」という空気が、次の一歩を後押しします。
小さな変化を口に出さず「心の中で」喜ぶ
子どもの変化に気づいても、すぐには言葉にしない。「今日は自分で起きてきたね」と指摘するより、さりげなく朝食を用意するだけの方が自然です。
次の選択肢を事前に準備しておく
フリースクール・通信制高校・進路などの情報を、お母さんが先に集めておくことが大切です。子どもが「どこか行ってみようかな」と言えたとき、すぐに提案できるよう準備しておきましょう。札幌で学べる場所の比較を見ておくと参考になります。
専門家・フリースクールと連携する
動き出しのタイミングはチャンスです。一人で抱え込まず、フリースクールや相談機関に「うちの子が少し動き出しています」と伝えることで、次のステップをスムーズに進められます。
「まだ動かない」と感じているお母さんへ
「うちの子はサインも出ない。きっかけも見えない」と感じているお母さんへ、正直にお伝えします。
動き出しには「時間」と「安心」が必要です
不登校になってから動き出すまでの期間は、子どもによって大きく異なります。数週間で動く子もいれば、1〜2年かかる子もいます。
でも、何もしないでただ待つのと、お母さんが外部に相談して家の空気を整えながら待つのとでは、子どもの回復スピードが変わります。
「動き出すのを待つ」ことと「お母さん自身が動く」ことは、同時にできます。
お子さんがまだ動けない段階でも、お母さんが先に情報収集・相談・環境整備を進めることが、最終的に子どもの動き出しを早めることにつながります。札幌の不登校の親の会に参加して、同じ経験をしているお母さんと話すことも、大きな力になります。
📌 札幌市の相談窓口
お子さんがまだ動けない段階でも、保護者だけで相談できる機関があります。
札幌市教育委員会 教育相談:011-671-3210(平日 8:45〜17:15)
北海道子ども相談支援センター:0120-3882-56(24時間・無料)
札幌の不登校相談先まとめはこちら
よくある質問
動き出したと思ったら、また後退しました。どうすればいいですか?
よくあることです。不登校の回復は直線的ではなく、前進・後退を繰り返しながら進んでいきます。後退したからといって「また元に戻った」ではなく、「一回外に出られた」という事実は変わりません。後退したときは、また安心できる状態に戻るまで待ちましょう。
サインが出ているのに、声をかけると嫌がります。どうすればいいですか?
サインが出ていても、子ども自身はまだ「準備中」の段階かもしれません。声をかけるより、お母さんがいつも通りに過ごしながら、子どもが話しかけてくるのを待つ方が効果的です。「待てている」お母さんの姿が、子どもの安心になります。
何年も不登校が続いています。動き出せるか不安です。
長期化している場合でも、適切なサポートがあれば動き出すことは可能です。ただし、一人で抱え込まずに専門機関・フリースクール・相談機関につながることが重要です。長期化しているほど、お母さん一人で対応するのは難しくなります。早めに相談してください。
きっかけを無理に作ろうとしてもいいですか?
無理に作るのは逆効果になることが多いです。ただし、「選択肢を見せること」はきっかけになります。フリースクールのパンフレットをさりげなく置いておく・見学の情報を話してみるなど、押しつけにならない程度の情報提供は有効です。
不登校が続くと出席日数はどうなりますか?
欠席が続くと出席日数が減り、高校進学に影響することがあります。ただし、フリースクールや自宅学習が「出席扱い」として記録される制度があります。出席扱い制度について詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ:「待つ」ことと「動く」ことは両立できます
不登校の子どもが動き出す前には、必ずサインがあります。文部科学省の研究でも、回復段階を踏まえた適切なタイミングでの関わりが回復を助けることが示されています。そのサインを見逃さず、焦らずに関わることが、回復への近道です。
一方で、お母さん自身が「ただ待つだけ」では、情報不足のまま時間だけが過ぎてしまいます。子どもには「待つ」姿勢を見せながら、お母さんは動いている状態が理想です。
フリースクールや専門機関への相談・情報収集・進路の準備、これらはお子さんがまだ動けない段階から始められます。さっぽろライラック・フリースクールでも、保護者だけのご相談を受け付けています。
参考資料:文部科学省「不登校に関する調査研究」 / 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(令和元年10月通知)」
この記事を書いたフリースクールの相談窓口
さっぽろライラック・フリースクール
保護者だけの無料相談
「子どもがまだ動けない」「動き出したけど次をどうすればいいか」どちらの段階でもご相談いただけます。
お急ぎの方はお電話でも:090-6846-2077
「このまま待っていていいのか」不登校が続くと、お母さんはこんな不安でいっぱいになります。最初にやるべき3つのこと・逆効果な行動・札幌の相談先をわかりやすくまとめました。今日一つから始められます。
「同じ状況のお母さんと話したい」そんな方へ。札幌で活動している不登校の親の会・コミュニティを対面・オンライン・行政主催に分けてまとめました。一人で抱え込まずに、まず話せる場所を見つけてください。
「誰に話せばいいか分からない」そんなお母さんへ。さっぽろライラックでは保護者だけの無料相談を受け付けています。お子さんが動けない段階でも大丈夫。まずは話しませんか。



