「何か声をかけてあげたいのに、何を言えばいいか分からない」
お子さんが不登校になったとき、多くのお母さんが直面するのがこの壁です。下手なことを言って傷つけてしまわないか。黙っていても大丈夫なのか。何か言うたびに表情が曇る気がして、話しかけるのが怖くなってしまう。
この記事では、不登校の子どもへの声かけについて、「言ってはいけない言葉」と「言っていい言葉」を具体的にまとめました。完璧な言葉を探さなくていいです。まず「これだけはやめよう」を知るだけで、家の空気は変わります。
この記事の目次
- なぜ「言葉」がこんなに大切なのか
- 今すぐやめてほしい「言ってはいけない言葉」7つ
- 安心して使える「言っていい言葉」
- 「何も言えない」と感じたときの対処法
- お父さん・パートナーへの伝え方
- よくある質問
なぜ「言葉」がこんなに大切なのか
不登校の子どもは、口には出さなくても、心の中でこう思っていることがほとんどです。
不登校の子どもが心の中で感じていること
「学校に行けない自分はダメな人間だ」
「みんなに迷惑をかけている」
「お母さんを困らせているのは自分のせいだ」
この状態のときに、親から「なんで行けないの?」「みんなは行っているよ」という言葉をかけられると、すでに傷ついている自己評価がさらに下がります。逆に「ゆっくりしていいよ」という一言があるだけで、心の緊張が少し和らぎます。
言葉は、お子さんの回復を早めることも、遅らせることもします。だからこそ、「何を言うか」より「何を言わないか」を先に知っておくことが大切です。
今すぐやめてほしい「言ってはいけない言葉」7つ
全部やめようとしなくて大丈夫です。まず「言わないようにしよう」と意識するだけでも変わります。
「なんで行けないの?」
子ども自身も「なぜ行けないのか」分かっていないことがほとんどです。答えられない問いを繰り返されると、「分からない自分がさらにダメだ」という気持ちになります。
「みんなはちゃんと行っているよ」
「みんなはできているのに、自分はできない」という比較は、自己評価を下げる言葉の代表格です。分かっているから余計につらい、というのが子どもの本音です。
「このままじゃ将来どうするの?」
今の状態で精一杯の子どもに、将来の不安を重ねても前に進む力にはなりません。むしろ「将来も詰んだ」という絶望感につながることがあります。
「甘えているだけでしょ」
甘えているように見えても、子どもの内側では本当に苦しいことが起きています。「甘え」と言われることで、本当のことが言えなくなります。
「お母さんが恥ずかしい」「近所の目が気になる」
保護者の気持ちとしては理解できますが、これを口にしてしまうと、子どもは「自分の存在がお母さんの恥だ」と受け取ります。自己否定が強まる言葉です。
毎朝「今日は行ける?」と聞く
一言で言うなら「毎朝プレッシャーをかける」行動です。「行けない自分」を毎朝確認させられている状態になり、朝が来るのが怖くなります。
「お姉ちゃん(弟・妹)は行っているのに」
きょうだいとの比較は、親子関係だけでなく、きょうだい関係も壊します。子どもが「自分だけダメ」と感じる言葉の中でも特に傷つくものの一つです。
⚠️ 「つい言ってしまった」は自分を責めないでください
ここに書いたことを過去に言ってしまったお母さんも多いと思います。でも、言ってしまった過去は変えられません。これからどうするかだけを考えてください。
「さっき言い過ぎたかな」と思ったら、後からでも「さっきはきつく言いすぎたね、ごめんね」と伝えるだけで、子どもの受け取り方は大きく変わります。
安心して使える「言っていい言葉」
「正解の言葉」を探す必要はありません。ただ、使いやすくて子どもに伝わりやすい言葉があるので、参考にしてください。
安心感を伝える言葉
「ゆっくりしていいよ」
急かさないという意思表示。シンプルだけど、子どもにとっては大きな安心になります。
「お母さんはここにいるから」
孤独ではないことを伝える言葉。話さなくていいし、何もしなくていい。ただそこにいるよ、という存在の確認です。
「今日はどんな感じ?」
「学校に行ったか行かないか」ではなく、気持ちを聞く質問。答えなくてもOKという雰囲気で聞くのがポイントです。
「何か食べたいものある?」
学校と関係のない、日常の会話。こういう普通のやり取りが、「お母さんとの関係は安全だ」という感覚をじわじわ作ります。
子どもが話し始めたときの返し方
子どもが自分から何か話し始めたとき、つい「じゃあ学校に行けるようになるね」「それが原因だったんだね」と結論に飛びたくなります。でも今は、結論より「聞いてもらえた」という経験の方が大切です。
「そうだったんだね」
ただ受け取る言葉。解決しようとしない。評価しない。ただ「聞いた」ということを伝えます。
「それはしんどかったね」
感情に共感する言葉。正しいか間違いかでなく、「あなたがしんどいと感じたことは本当のことだ」と伝えます。
「話してくれてありがとう」
話すことへのハードルが下がります。「話したら怒られる」「心配させる」という気持ちを和らげる一言です。
「何も言えない」と感じたときの対処法
「正しいことを言わなければ」と考えすぎて、何も言えなくなってしまうお母さんもいます。そんなときは、こう考えてみてください。
POINT 1
「何も言わない」も一つの選択肢
無理に声をかけなくてもいいです。隣にいるだけ、ごはんを作るだけ、それでも「お母さんは自分を見捨てていない」という安心感は伝わります。
POINT 2
完璧な言葉より、穏やかな雰囲気
子どもは言葉の内容より、お母さんの雰囲気を読んでいます。焦っていないか、怒っていないか、笑えているか。言葉より表情や態度の方が伝わることが多いです。
POINT 3
お母さん自身が誰かに話す
お母さんが一人で抱え込んでいると、どうしても家の空気が重くなります。親の会や相談機関でお母さん自身が話せる場所を持つことが、家の空気を変える一番の近道です。
お父さん・パートナーへの伝え方
「甘やかしている」「叱れば行ける」と言うパートナーへの対応に困っているお母さんも多いです。
真正面から言い争うより、「一緒に知る機会」を作るのが効果的です。
この記事を一緒に読んでもらう
「お父さんが悪い」ではなく、「こういう情報があるんだけど」という形で共有するのが摩擦が少ないです。
相談機関に一緒に来てもらう
「専門家から聞いた」という事実は、お母さんが言うより受け入れられやすいことが多いです。フリースクールや教育相談で、二人で話を聞く機会を作ってみてください。
「子どもに言わないでほしい言葉リスト」を共有する
「〇〇と言わないで」と個別にお願いするより、「こういう言葉はNGらしい」という形で客観的に共有する方が受け入れられやすいです。
よくある質問
何も言わないと、子どもが「どうでもいいと思われている」と感じませんか?
言葉より行動で伝わることがあります。ごはんを作る、洗濯をする、部屋に顔を出す。こうした日常の行動が「見捨てていない」というメッセージになります。どうしても不安なら「何も言わなくていいけど、ここにいるよ」という一言だけで十分です。
子どもが全く話してくれません。どうすればいいですか?
話さなくて当然の時期があります。無理に話させようとせず、「話せるようになったら聞くよ」という姿勢を保つことが大切です。急に話し出すタイミングは突然来ることが多いので、その瞬間を大切にしてください。
「ゆっくりしていいよ」と言い続けるだけで大丈夫ですか?
安心感を伝えながら、同時に保護者は外部に相談を続けることが大切です。子どもには「待つ」姿勢を見せながら、お母さん自身は動いている状態が理想です。何もせずにただ待つのとは違います。
言ってしまった言葉を取り消せますか?
取り消すことはできませんが、「さっきはきつく言いすぎたね」と後から伝えることはできます。謝ることで関係が修復されるケースは多いです。完璧なお母さんを目指す必要はなく、間違いに気づいて伝えられるお母さんで十分です。
まとめ:正解の言葉より、安心できる場所を
不登校の子どもへの声かけに、完璧な正解はありません。ただ、「言わなくていい言葉」を減らすことは、今日からできます。
「なんで行けないの?」「このままどうするの?」という言葉をやめて、「ゆっくりしていいよ」「ここにいるから」という言葉に置き換える。それだけで、家の空気は少しずつ変わっていきます。
そして、声かけに迷ったり、「自分一人では限界だ」と感じたときは、ぜひさっぽろライラック・フリースクールにご相談ください。保護者の方だけでのご相談でも大丈夫です。
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