やってはいけない道コンの使い方

冬休みは、北海道の中学生にとって「差がつく時期」だとよく言われます。内申ランクや道コン(北海道学力コンクール)の成績を気にするご家庭ほど、この時期の過ごし方に不安を感じるかもしれません。「とにかく勉強させなければ」と焦る気持ちもよく分かります。

しかし、長年多くの生徒を見てきた経験から断言できるのは、冬休み明けに大きく成績を伸ばす生徒は、必ずしも勉強時間が最も長い生徒ではないということです。彼らは、がむしゃらに量をこなすのではなく、勉強の「やり方」そのものを見直し、整えることに時間を使っています。

冬休みは、北海道・札幌の中学生にとって「差がつく」と言われる時期です。けれど実際に差がつくのは、難しい教材を先取りした人ではなく、 勉強の“やり方”を整えた人 です。

この記事では、多くの生徒が陥りがちな、努力が成果に結びつかない「やってはいけない勉強法」を3つ指摘します。そして、それを道コンの成績アップに直結する効果的な方法に切り替えるための、具体的な解決策を提案します。

やってはいけない勉強法①:「とにかく量をこなす」だけの学習

「冬休みは差がつく」という焦りから、「とにかく勉強時間を増やそう」「問題集をたくさん解こう」と考えてしまうのは、非常によくあるパターンです。しかし、この「量」で不安を解決しようとするアプローチは、多くの場合うまくいきません。

具体的には、「何からやればいいか分からない」まま手当たり次第に問題集に手を出したり、長時間勉強したことで「やった感」だけが残り、実際には解ける問題が増えていないという状況に陥りがちです。なぜなら、明確な方法がないまま量をこなしても、すでに解ける問題を繰り返したり、ただ教科書を読み直すだけの復習になったりしてしまうからです。

解決策:道コン過去問で“現在地”を可視化する

まず取り組むべきは、「何を勉強するか」ではなく「どう勉強するか」を決めることです。その第一歩は、自分の現在地を正確に把握することにあります。

解決策:道コン過去問で“現在地”を可視化する

冬休みの最初に道コンの過去問を解く目的は、「弱点を探す」ことではありません。むしろ、弱点が見える状態を作ることにあります。これは学習全体の方向性を決めるための、大まかな「トリアージ(優先順位付け)」です。以下の手順で、学習のスタートラインを明確にしましょう。

  • 時間を測って解く
  • 自己採点する
  • ミスを 知識不足/読み違い/時間不足 に分類する
  • 「冬休みに直す優先順位」を1〜2個に絞る

たったこれだけで、「自分は時間配分が課題なのか、それとも問題文の読み方が雑なのか」という冬休み全体のテーマが定まり、勉強は「やみくもな努力」から「的を絞った学習」へと変わります。

やってはいけない勉強法②:「解きっぱなし」で終わる道コンの過去問演習

道コンの過去問は、多くの生徒が取り組む教材です。しかし、その使い方を間違えているケースが非常に多く見られます。典型的な失敗例は、過去問を一度解いて丸付けをし、解説を読んで「分かったつもり」になって終わらせてしまうことです。

この「解きっぱなし」の学習法では、成績はほとんど上がりません。なぜなら、その場では理解した気になっても、知識や解き方が定着しておらず、次に出会ったときに同じ間違いを繰り返してしまうからです。

道コンは「受ける」より「使い方」で差がつきます。

過去問演習の本当の目的は、自分の点数を知ることではありません。どんな問題が出ても崩れない、再現性のある「解き方のシステム」を自分の中に作り上げることです。

道コンは繰り返そう

解決策:過去問は「分析と反復」で武器にする 過去問を解いた後こそが、成績を伸ばすための本当の勝負です。最初の「トリアージ」で学習の全体方針を決めたら、日々の演習ではより詳細な「深掘り分析」を行います。以下の2つの戦略で、過去問を最強の学習ツールに変えましょう。

過去問を解いた後こそが、成績を伸ばすための本当の勝負です。最初の「トリアージ」で学習の全体方針を決めたら、日々の演習ではより詳細な「深掘り分析」を行います。以下の2つの戦略で、過去問を最強の学習ツールに変えましょう。

  • ミスの分析(深掘り) まず、間違えた問題を「計算ミス」「問題文の読み落とし」「知識不足」「解法が分からない」などに細かく分類します。例えば最初のトリアージで「読み違い」が課題だと分かった生徒が、この分析をすれば「自分は問題文のどの部分を読み落としているのか」まで具体的に特定できます。そして、復習する際は次の優先順位で取り組みます。 ① 取れるはずなのに落とした問題(ケアレスミスなど) ② あと一歩で解けそうだった問題 ③ 現状では全く歯が立たない問題(基礎の復習に戻るべき問題) これにより、最も点数に結びつきやすい部分から効率的に改善できます。
  • 反復練習 一度解いただけでは「できたつもり」が残ります。最低でも1つの過去問を3回繰り返すことを推奨します。
    1. 1回目: 時間を測って本番同様に解く
    2. 2回目: 翌日、間違えた問題だけを解き直す
    3. 3回目: 1週間後、もう一度全体を時間を測って解く このプロセスによって、解き方が確実に定着し、本番で使える力になります。

過去問は、解くこと以上に「どう使うか」が重要です。

やってはいけない勉強法③:国語と英語を「センス」や「なんとなく」で解く

国語や英語の長文問題になると、「なんとなく」感覚で解いてしまい、点数が毎回ブレるという生徒は少なくありません。これは、定期テストと同じ感覚で勉強していることが原因です。学校の定期テストは本文の内容理解を問う問題が多いですが、道コンや高校入試では、限られた時間の中で正確に答えを導き出すための、構造的な「解法」が求められます。センスや感覚に頼った解き方では、国語では選択肢で迷って時間を浪費し、英語では非効率な返り読みを繰り返して時間切れに陥るなど、必ずどこかで壁にぶつかります。

北海道の高校入試問題をセンスとかいってなんとなく解くのだめ

解決策:「解法」という”型”を身につける

国語と英語の成績を安定させ、伸ばすために最も効果的なのは、「解き方の型」を身につけることです。冬休みというまとまった時間を使って、以下のシンプルな型を徹底的に練習してください。

  • 国語: 「読んで理解する」から「根拠を探す」へ意識を変える。
    • 設問を先に読んで「探すもの」を決める。
    • 本文の「根拠の一文」に線を引く練習をする。
  • 英語: 語彙力だけでなく、文章の「処理手順」を確立する。
    • 先に設問を見て、何を探しながら読むべきかを把握する。
    • 雰囲気で読まず、主語・動詞・接続語を意識的に追って、文の構造から意味を正確に捉える。

短期間で点数を上げるには、新しい知識を詰め込むよりも、こうした普遍的な「型」を習得するほうがはるかに効果的です。

結論:この冬、勉強の“OS”をアップデートしよう

お子さんの勉強をパソコンに例えるなら、参考書や問題集は「アプリ」で、勉強のやり方は「OS(オペレーティングシステム)」です。もしOSが古く、非効率なままなら、どんなに優れたアプリをたくさん入れても本来の性能は発揮できません。冬休みは、新しいアプリを買い与える前に、まず勉強のOS自体をアップデートすべき時期なのです。

この冬休みに成績を伸ばすために必要なのは、学習の根本的な見直しです。

  1. 「量」から「方法」へ: やみくもな努力ではなく、現在地分析から始める。
  2. 「解きっぱなし」から「分析」へ: 過去問は解いた後が本番と心得る。
  3. 「感覚」から「技術」へ: 国語と英語は、再現性のある「解法」で攻略する。

成功する冬休みとは、無理に勉強時間を増やすことではなく、この先もずっと使える「続く仕組み」を構築することです。

この冬、お子さんの勉強は「量」を増やしますか?それとも「やり方」を根本から見直しますか?